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その60 国産マッチ創始者
『清水誠』とマッチ入れの巻
弓屋かえる堂さえきあすか


亀戸天満宮
亀戸天満宮

美しい藤棚
美しい藤棚

紅い太鼓橋
紅い太鼓橋

 東京は江東区、亀戸の天神様と親しまれている亀戸天満宮に行ってきました。ここは学問の神様として菅原道真がまつられている神社で、私ははじめて訪れたのですが、藤の葉の緑色と、紅い太鼓橋の美しさにびっくり。藤の花が咲いている季節には、さぞかし美しいことでしょうね。ぜひとも来年には見に行きたいものです。
 境内をゆっくりと歩いていたら、筆塚がありました。筆塚の前にはたくさんの絵馬が奉納されており、「美しい字が書けますように」という願いが、私から見ると十分に美しい文字で書かれています。なんでも菅原道真が学問と文才に富んだ人物であったことから、書道、学問の上達を祈る人々が、使い古した筆をおさめたのがはじまりで、今日まで続いているそうです。私は、針供養は何度か目にしましたが、筆塚をマジマジと見たのははじめてです。自分にとっての大切な筆記具を供養し、上達を祈願する。なかなかできそうでできないことだと思います。

筆塚
筆塚

清水誠の顕彰碑
清水誠の顕彰碑

 そして、国産マッチの創始者、清水誠の顕彰碑がありました。
 「なんで亀戸天満宮に国産マッチの創始者が?」
と疑問に思いつつも、亀戸天神社は“モノ好き”にとっては見逃せない?場所だと、嬉しくなったのでした。
 少しだけ清水誠について調べてみると、明治2年にフランスに留学し、マッチについて学び、明治9年には国からの資金援助を得て、マッチ工場を設立するまでになったとか。想像するに、マッチが普及する以前は、金属と石の衝撃により発火する方法、すなわち火打ち石で火をおこしていました。私は火打ち石を使ったことはありませんが、火をおこすことの労力を思うと、マッチの出現は夢のようだったのではないかと思うのです。この功績から、清水誠がフランス留学のために横浜港を出航した5月12日を『マッチの日』としたそうです。
 
 今回は、そんなマッチにちなんで、マッチ入れをご紹介したいと思います。今でこそ台所やお風呂場にマッチを置く必要はなくなりましたが、私が子供の頃にはマッチは必需品でした。五右衛門風呂だったわが家のお風呂を焚く時には、コンクリートの土間の上に新聞紙を敷いて座り、新聞紙や松葉、薪などをくべました。新聞紙にマッチで火をつけて、かまどに放り投げると、松葉がパチパチ音を立てながら燃えはじめ、しばらくするとゴーと火の音が大きくなっていく…私はそんな様子をボンヤリと眺めるのは嫌いではありませんでしたが、なんせ子供ですから、テレビに夢中になっている時に「お湯がぬるいぞ〜」と親から声がかかると、ブーブー不満だらけでした。
 台所ではガスレンジにマッチを使うことがありました。火がなかなか付かない時に、マッチで火を付けたのです。

キッコーミネ醤油マッチ入れ
キッコーミネ醤油マッチ入れ

キノエネ醤油マッチ入れ
キノエネ醤油マッチ入れ

ミツウロコマッチ入れ
ミツウロコマッチ入れ

 そんな生活に欠かすことのできないマッチのために、お醤油などのメーカーがマッチ入れを配りました。ブリキ製の可愛らしいモノで、小さい状差しのような形をしており、画鋲で留めるようになっています。“台所やお風呂場などの壁や柱に付けて使うように”ってことなのでしょう。ただし、需要はいまひとつだったのか、未使用のまま骨董市にでていましたケド…。
 
 私はいつか大きなコルクボードを壁につけた時に、このマッチ入れを画鋲でつけて、輪ゴムや切手を入れて使いたいと思っています。可愛くて便利だと思うのですが、いかがでしょう?

豆炭の文字が
豆炭の文字が


2006年12月20日更新
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