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「ガラクタ商店街」タイトル

その51 自分へのごほうび、
昔の文房具に瞳キラキラの巻
弓屋かえる堂さえきあすか

 勤務先が埼玉県に変わってから、埼京線で荒川を渡ること。富士山や夕日を眺めることが、ささやかな楽しみになりました。必然的に埼玉の探検をするようになったのです。
 11月23日・祝日のこと。さいたまスーパーアリーナにて開催されている“骨董アンティークフェア”に行ってきました。今回で7回目になるこの骨董市は、平日に開催されることが多く、今まで行くことができなかったのですが、「これからは行きやすくなるなぁ」とニンマリ。この日は午後出勤することにして、埼京線の北与野駅をはじめて降りたのです。

さいたまスーパーアリーナ

紅葉した木々の間から

 「与野」という地名は、私には少々縁があります。…というのも、前の会社の上司が与野在住の方で、近所の美しい場所や、古本屋にリサイクル屋など、いろんな話を聞かされていたから。いつか行こうと思いつつも、のんびりやの私はなかなか行くことができず、気がついたら10年以上経っていました。ちょっと呆れてしまいます。
 北与野駅周辺は、私の想像を越えた都会というか、街でした。高層ビルも多く、驚いてしまいました。駅から歩くこと7分。埼京線の並びにあるスーパーアリーナは、平成12年にオープンした大型多目的施設だそうで、10年前に行っていたら、駅周辺はまったく違う景色だったのですね。紅葉した木々の間から青い空とビルを見上げつつ、流れてくるクリスマス・ソングに、なんだかさみしい気分になったりして。

第7回目の骨董アンティークフェア

会場は人だらけ

 11時からスタートという、少し遅めの骨董アンティークフェア。このような大きな会場で開催される骨董市は、入場料をとるところがありますが、ここは無料です。40分も前に着いたので、地元に昔からある喫茶店を探して入ろうと思ったものの、近所にはチェーン店しか見つからず、30分ほど時間をつぶして会場に戻ったら、あっという間にすごい人で、入り口から外に出て階段の上まで人が並んだのでした。当然のことながら入場後も会場は人だらけ。通路もいっぱいの状況に、“古布・ぼど”(その15にて“伊万里本舗”で紹介しました)の方いわく、「今日は祝日だから特に混むわね」とのこと。
 年末に近づくと、「今年の自分へのごほうび」として、モノ探しをする私は、一生懸命見ていたら、あっという間に2時間半経ってしまい、会社に行かなければと、慌てて会場を後にしたのでした。つれて帰ったのは実用品。竹カゴと鍋敷き用の木製のはぐるま3ツです。もちろん実用品は、自分へのごほうびにはなりません。

 11月25日・金曜日。この日は、横浜パシフィコにて開催される“横浜骨董ワールド”の初日です(その15243645参照)。休日出勤と引き換えに代休をいただいた私は、初日のみ12時はじまりの会場に向かいました。到着すると、こちらもさいたまスーパーアリーナ同様、すごい行列です。ちなみに入場料は1000円。平日なのに、たいしたもんです。
 それにしても、今日もいいお天気。気温が17度もある小春日和なのです。「なにもなかったら、元町か中華街でも行ってみようかな」なんて、すっかりのんびり気分の私は、給料前だし無理はやめて、楽な気持ちでモノと向き合おうって心に決めていました。ところが、こんな風に少し引き気味に構えた時に限って、モノに出会えるから不思議です。力んで行った時は案外ダメなんです。次々とモノが視界に飛び込んできました。値段が高くて手が出せないモノは、勉強だと思ってジッと眺めました。
 私は昔の文房具たちを発見! 安めな値段にドキドキしながら交渉し、喜んでつれて帰ったのです。それはベークライト製のパイロットインキ壺。茶色と黒色の独特の色合いに、金色で「パイロット高級インキ」って右横書きでの書いてあるのがステキです。表情が可愛い金属でできたフクロウのペン皿、方位磁石付きの馬の文鎮ほか文鎮4点、セルロイド製・ポパイ鉛筆キャップ、陶製マッチ、日の丸と桜模様のヨーヨー、マーガレットと赤いバラが刺繍されたショール(これは実用品)などなど、瞳がキラキラしちゃったのでした。

横浜骨董ワールドより

掘り出し物みつかるかな?

着物ズラリ

 その後はひさしぶりに会った友人たちと、近況報告をしながらうだうだ…。あっという間に5時間経ちました。帰りは横浜ランドマークタワーの横を沈む夕日にうっとり。大きなクリスマスツリーに年末気分を味わいながら、かなり遅めの昼食を食べて帰ったのでした。余談になりますが、数日前に本物の“もみの木”を見せてもらいました。もみの木って上の部分は、まつぼっくりのような部分がぬけて芯だけが残るのです。写真を見てください。まるでロウソクのようです。「これを見た昔の人が、クリスマスツリーにロウソクを飾るようになったんじゃないか?」というお話に「なるほど」と感心しました。
 家に戻ると、さっそく買ってきたモノたちを磨きました。気の利いた戦前のガラ…こと「戦前のガラクタ」たちを前にニコニコです。この子たちが今年の私へのごほうびなのです。まだ1ヶ月あるからわからないけど…。たぶん。

美しい夕日にうっとり

大きなクリスマスツリーに年末を感じて

もみの木のてっぺん

平成17年の自分にごほうび


2005年12月14日更新
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