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その54 下北沢の『古道具・月天』と画期的発明鉛筆削りの巻
弓屋かえる堂さえきあすか

 東京・下北沢に、私の師匠的存在であるTさんのお店『古道具・月天(がってん)』があります。下北沢駅南口から徒歩5分。可愛らしいアンティーク雑貨のお店として有名な『木曜館』のすぐそばです。

 Tさんと私はかれこれ15年以上のおつきあいになりますが、はじめて出会ったのは、お互い20代前半の頃。東郷神社で開催されている骨董市でした。出店していたTさんのお店で、戦前につくられた金属製のまるい貯金箱を買ったのです。茶色い貯金箱には「貯金は身のため國のため」と書かれ、「春日 信用販賣・購賣利用 組合 No102」の文字がありました。とても地味な貯金箱ですが、私は歴史のカケラを発見したような気持ちになり、つれて帰ることにしました。
 「これはなかなかでないと思うよ」
 って、長髪だったTさんが手渡してくれた姿は、今でも鮮明に憶えています。余談になりますが、東郷神社の骨董市は現在縮小を余儀なくされ、第1日曜日だけの開催となり、業者さんも大幅に減ってしまったとか。近々顔を出してみようと思いますが、残念なことだと思います。

出会いの貯金箱
出会いの貯金箱

 話を戻しまして、『月天』が下北沢にお店をだしたのは平成6年のこと。当時は『木曜館』の向かいにある『露崎商店』の2階にありました。私は『月天』が下北沢にきたことによって、あこがれの街・下北沢がいっぺんに身近な存在になり、とても嬉しかったのです。だって、私が古物にはまるきっかけを与えてくれたお店は『木曜館』。そこで出会った戦前の牛乳ビンなのですから…。そして、私にとっての古物のバイブル『こまごま古道具』(住まいの図書館出版局発行、星雲社発売)の著者である「マダム恵子」こと加藤さんのお店『あんてぃかーゆ』http://www.geocities.jp/antiquaille/ も下北沢にあります(その4その28参照)。そのほかにも昔懐かしい玩具でいっぱいの『懐かし屋』、『オムライス』などなど、ちょっと古い、懐かしくて可愛いモノや古着が好きな人にとっては、要チェックのお店が目白押しという、大注目の街なのです。
 
 平成13年のこと。『木曜館』と『露崎商店』の間の通り、ピュアロード沿いにあった小さな食堂『キッチン・アスカ』が店じまいすることになりました。『アスカ』は老夫婦がやっていたアットホームな食堂で、私はここで食事をするのが楽しみだったので、残念だなぁと思っていた矢先、『月天』がここに引っ越してきたのです。
 では、現在の『月天』の様子をご紹介したいと思います。
 入り口には人気者のビクター犬・ニッパーや家具などが置かれ、扉を開けると軍港内で使用された「海軍水道」のマンホールがお出迎え。このマンホールはいつ見てもシブイ。「かっこいいなぁ」と眺めている一品です。

月天入り口
月天入り口

扉を開けると海軍水道マンホール
扉を開けると海軍水道マンホール

 そして、聞こえてくるのは、「チックタック、チックタック」と時を教えてくれる柱時計の音。入り口から奥まで左側の壁面にズラリとかかった柱時計は、全部可動していて、いっせいに「ボーンボーン」と鳴り出すのはスゴイです。棚にはラジオに電話機がズラリ。電気スタンド、ちゃぶ台、本棚など、ひと昔前の家具たちが楽しそうに並んでいるのです。

柱時計ズラリ
柱時計ズラリ

電話とラジも注目
電話とラジも注目

昔のレジや家具がステキ
昔のレジや家具がステキ

 ガラスケースの中には戦前の牛乳ビンや哺乳ビンをはじめ、切子のコップやカキ氷の器、ノリタケの食器など、今すぐに使える実用品から、文鎮、ペン皿、鉛筆削りなどの文房具。貯金箱、セルロイド玩具やグリコのおまけ、お菓子のパッケージやラベルなどなど。素朴であったかい昔のモノたちが、ギュッとつまっているお店なのです。私にとっては癒しの場といいますか、来るたびにワクワク楽しい気分になって、元気をもらえるお気に入りの空間なのでした。お近くにお寄りの際は、ぜひのぞいてみてくださいね。

文房具や日用雑貨がたくさん
文房具や日用雑貨がたくさん

ディスプレイも見事です。
ディスプレイも見事です。

哺乳ビンや牛乳ビンも可愛い
哺乳ビンや牛乳ビンも可愛い

間接照明がいい感じ
間接照明がいい感じ

可愛らしい玩具も
可愛らしい玩具も

.気の効いたガラ
.気の効いたガラ

掃除が大変そうと思いつつ
掃除が大変そうと思いつつ

楽しい店内なのです
楽しい店内なのです

夜の月天入り口
夜の月天入り口

 住  所:東京都世田谷区北沢2-1-3 
 電  話:03-3424-8445
 営業時間:12:00〜19:00 
 定 休 日:月曜定休 *日曜・祭日は営業します。
 
 今回ご紹介するモノは、『月天』からやってきた鉛筆削りです。
 『太陽<大発明・珍発明500集>』(昭和55年4月発行)にも紹介されている代物で、さしこんだ鉛筆を回しながら、ハサミのように動かすたびに、真ん中に取り付けられた刃が動いて鉛筆を削ることができるという、ナイフにかわって登場した画期的な鉛筆削りだそうです。私は実物を見たのははじめてでしたが、デザインもおもしろく、「よく考えられているなぁ」と感心しました。けれど、そんな画期的発明と思われた鉛筆削りも、手動式鉛筆削りなど新製品の登場により消えていきました。

工具型鉛筆削り
工具型鉛筆削り

鉛筆をさしこんで削るのです
鉛筆をさしこんで削るのです

 私は昔の鉛筆削りが好きなので(その20 爆弾型鉛筆削の巻 参照)何個か持っていますが、またまた一風変わったおもしろ鉛筆削りの出現に、ニンマリ喜んでいるのです。


2006年6月20日更新
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その15 単衣名古屋帯の巻
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