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さえきあすか

その8 ピンク色のお面の巻 後編


たくさんのセルロイドのお面

 平和島骨董まつりの終了まぎわ、馴染みのない一軒のお店の前で足が止まりました。
 まるで、ここは縁日の露店のよう……。だって、たくさんのセルロイドのお面が並んでいたのです。それも、いろいろな種類があります。なんと全部で11種類。3種類の天狗に、色違いウサギ、お花のかんざしをつけたお姫様、角隠しをかぶった花嫁さん、ユーモラスな表情のひょっとこ、黄色いリボンをつけたキューピー、桃太郎、金太郎。
 大半のお面に「魅惑のピンク色」が使われています。アニメなど、キャラクターのお面がでまわる以前のモノです。古い箪笥や火鉢など地味な色合いに囲まれた中で、パッと花が咲いたような明るさでした。
 これらのお面は、どこかの蔵に眠っていたのでしょう。それぞれがまとめて置いてありました。よく見ると棚の中にも山のように積まれています。長年の歴史を物語るかのように、縁は埃で黒くなっており、ついているゴムヒモも切れたり、伸びきっていますし、天狗の白いヒゲは上のお面に貼りついています。でも、埃は簡単にとれますし、未使用ですから状態はとてもいいです。片付けはじめているご主人に、
 「すみません、全種類欲しいんですけど……」と声をかけると、
 「状態がいいのを選びなよ」という心優しいお返事。喜んできれいなお面を選びました。その上まとめて購入したので、お値段もかなり安くしてくださり、ニコニコと大喜び。
 自宅に帰ると、すぐに埃を払い、白い医療ケースの中に‥‥といいたいところですが、残念ながらわが家に医療ケースはないので、ビニール袋に入れて台所の天井から吊りました。いっぺんにお部屋が楽しくなりました。
 さて、「白い医療ケースの中にピンクのセルロイド」といえば、私の気持ちを体感できる(?)おススメのお店が2店あります。両店ともホームページがあるので、興味のある方はのぞいてほしいのですが、1店目は東京・西荻窪にある「ベビヰドヲル」(http://dollclub.mda.or.jp/babydoll/main.htm)さん。狭い店内には昔のお人形や金魚、ブリキ玩具、積み木、着物などが、たくさん並んでいます。もちろん白い医療ケースの中に並ぶ、ピンク色のキューピーたちも注目してくださいね。2店目は、東京・吉祥寺にある「たご舎」(http://www.tagoya.net/)さん。こちらも白い医療ケースの中にピンクがキラリ。こけしの形をしたビンや、市松人形、食器や玩具、古本、オリジナルの雑貨などが並んでいます。今のモノにはない、懐かしくも繊細なピンク色の世界をご覧ください。

 おまけ:私の本を見てほしいのです。その2

『ガラクタをちゃぶ台にのせて』 さえきあすか著

 『ガラクタをちゃぶ台にのせて』 さえきあすか著 (定価2,100円)
 晶文社(http://www.shobunsha.co.jp/)発行 
 この本に紹介したモノたちの写真は、坂本真典さんとスタッフのユキちゃんが撮ってくださいました。
 坂本さんといえば、『どこかにいってしまったものたち』(筑摩書房)をはじめ、クラフトエヴィング商會さんの数々の本や、『わがまま骨董』、『ひんなり骨董』(菊地 寛著 平凡社)と、数多くの写真を撮っておられます。
 その上、『グリコのおまけ』(筑摩書房)の装丁を手がけられ、『そこに文字が』、『ぜんまい屋のはがき』(筑摩書房)など著書を出しておられる金田理恵さんが装丁をしてくださり、編集は足立恵美さん……と、とっても豪華な布陣に助けていただいて、形にすることができました。
 ミニコミ誌とは違って、一緒につくるという共同作業に感激したこと数知れず。ひと昔前のヘンテコなモノたちが、アイドルのように、美しくも迫力のある写真と、私の文章にて紹介されています。ぜひぜひ手にとって見てくださいね。


2002年9月18日更新
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その7 ピンク色のお面の巻 前編
その6 ベティちゃんの巻
その5 うさぎの筆筒の巻
その4 衛生優美・リリスマスクの巻
その3 自転車の銘板「進出」の巻
その2 忠犬ハチ公クレヨンの巻
その1 野球蚊取線香の巻


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