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さえきあすか

その23 『池袋骨董館』の『ラハリオ』からやってきた招き猫の巻

セルロイドの招き猫

 東京・池袋にあった『池袋骨董館』が、3月をもって閉館しました。
 
 今のようにテレビで骨董が注目される以前、骨董市も現在のように多くなく、どこで開催されているのか、古いガラクタを扱っているお店って、いったいどこにあるのか、な〜んにもわからなかった12年前。
 たまたまフラッと歩いていた時に偶然見つけた『池袋骨董館』で、『東京アンティーク・ニュース』という新聞に出会えたのは、「求めれば与えられるって本当だね」なんて、ドキドキワクワクした、とてもラッキーな出会いでした。
 新聞の監修者は、『開運!なんでも鑑定団』でおなじみの岩崎紘昌さん。数年後にこの新聞に『極楽レトロ』というタイトルで、連載記事を書かせてもらうことになるなんて、夢にも思わなかった。本当にこの頃はなにも知らなかったのです。たかだか10数年前といえど、今のようにインターネットがあるわけでもなく、情報は全部自分で集めるしかありませんでした。この新聞によって骨董市やお店に足を運び、そこでまた次の情報を手に入れる、そんな繰り返しを一所懸命にやっていた時期でした。

『東京アンティーク・ニュース』

 *『東京アンティーク・ニュース』のお問合せ・お申し込みは、03-3904-1756まで。
 
 そして、嬉しい出会いは新聞だけではありません。骨董館の中に出店しておられた『ラハリオ』のご主人と知り合えたこともよかったです。昔のモノに興味があった私に、いろいろな楽しいモノ、珍しいモノを見せてくれた1人だから‥‥。会社帰りにお店に寄っては、ツケでモノをつれて帰ること数知れず。生活雑貨や色合いの地味なモノばかりに興味を待つ私に、
 「おまえも人が欲しがるような珍品を集めないとダメだぞ!」
なんて当時から心配してくれたりして。そして、コルゲンコーワのかえるが大好きだったので、「かえる」って呼ばれるようになりました。女性のコレクターは少ないといわれる中、たまたまここで一緒になった女性に、
 「お時間ありますか? お茶でも飲みませんか?」
って声をかけられて、近所の喫茶店で、
 「私は石けりや、ガラス瓶を集めているんです」
とにこやかに微笑む女性は、ひとつ年下の栗島嬢。思えば人が人を呼び、どんどんつながっていった時期でもありました。
 
 そんな思い出深い『池袋骨董館』が閉館するんです。これも時の流れといってしまえばそれまでですが、やはり淋しい。『ラハリオ』のご主人も、
 「桜の時期に卒業じゃないけど、やっぱり10年間顔合わせてた人とさ。離れ離れっていうのは、淋しいよな」
って、少年のように笑いました。出逢った頃からとても強気な業者さんだったけれど、
「最近世代交代ってしみじみ思うね。体力落ちたしね」
なんていわれると、私もしんみり。ますます淋しい気分になります。
 
『骨董ファン』 でも、「しんみり」という言葉が、まったく似合わない人もいます。『その15 単衣名古屋帯の巻』でご紹介した『骨董ファン』(マルモ出版)の編集長がそう。
 突然ですが、年内いっぱいで『骨董ファン』が終わることになったんです。これまたビックリ! 縁あって創刊号からお世話になっていた私も、まったく知らされず、本誌25号が送られてきてはじめて知った次第。編集部に電話をしてみると、25号をつくっている最中に決断したというのです。
 編集長・みゆきさんの辞書には「しんみり」なんて言葉はありません。彼女にあるのは前のみ! 決断も行動も早い早い。このパワフルさは、もちろん彼女の魅力であります。決断するにあたって、いろいろな葛藤はあったでしょうけれど、一度こうと決めたら誰がなんといおうとまっしぐらな方なので、残り3冊。私も頑張りたいと思います。ちなみに25号の特集は『時計』です。興味のある方は、手にとって見てくださいね。http://www.antiques-jp.com
 
白猫で細かい毛まで表現 今回ご紹介するのは、私にとって思い出深い場である『ラハリオ』からやってきたセルロイドの招き猫です。当時招き猫といえば陶器製のモノしか知らなかった私は、力を入れると壊れてしまいそうな、ビニールでもプラスチックでもない、繊細な素材でつくられた招き猫に、新鮮さを感じて購入したのです。そして大きさも気に入りました。高さが約19cmと結構大きく、白猫で細かい毛まで表現されており、黄緑色の紐にピンク色の前掛けと大きな鈴が愛らしく、セルロイドの繊細さが際立つ一品だと思うのです。今でもこの招き猫を手にすると、ダンボール箱が積み上げられた薄暗くて狭い店内と、
 「こいつ、可愛いだろ」
って、ニンマリ微笑んだ店主の顔が浮かんでくるのです。

セルロイドの招き猫

 セルロイドの招き猫といえば、『その18 転んでもただでは起きない!達磨の巻』でご紹介した平井玩具製作所の平井英一さんもつくっておられます。全長6cmほどの可愛らしい三毛猫・ヨモノスケは、見た瞬間「風水だ!」と思いました。東には赤、南は緑、北はピンク、西は黄色の招き猫を飾って、楽しいことをいっぱい招いてもらいたいですね。この他にも6色があるカラフルな招き猫です。詳しくは『セルロイド・ドリーム』のサイトをご覧ください。
http://home10.highway.ne.jp/cell-46/celldreamindex.html


2003年5月29日更新
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その21 西郷隆盛貯金箱の巻
その20 爆弾型鉛筆削の巻
その19 へんてこケロちゃんの巻
その18 転んでもただでは起きない!達磨の巻
その17 ケロちゃんの腹掛けの巻
その16 熊手の熊太郎と国立貯金器の巻
その15 単衣名古屋帯の巻
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その13 口さけ女の巻
その12 趣味のマーク図案集の巻
その11 麦わらの鍋敷きの巻
その10 お相撲貯金箱の巻
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その8 ピンク色のお面の巻 後編
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