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その42 ブリキのはがき函と『我楽多じまん』の巻

弓屋かえる堂さえきあすか

「はがき函」

 中野 翠さんのモノに関する書籍がでました。タイトルは『我楽多じまん』。祥伝社発行です。それも、現在製造販売しているモノの紹介ではなく、昭和40年代以前のガラクタこと“我楽多”を紹介した書籍です。モール人形の表紙にピンク色の帯という、可愛らしい装丁に、ちょっと意外な感じを抱きつつも、すぐに手にとりました。
 実は、私にとって中野 翠さんは特別な人なんです。私の『ガラクタをちゃぶ台にのせて』が晶文社さんより発行された時、忘れもしません。平成13年7月15日の朝日新聞の朝刊に、書影入りで書評を書いてくださった方だから。晶文社のAさんから、「あすかちゃん、よかったね」って電話をもらって大喜びで新聞を購入したっけ。そういえば、書評の中に“私も軽症とはいえガラクタ趣味なので”と書かれていました。その中野さんが紹介するガラクタの本。いったいどんなモノ語りがつまっているのでしょうか。

『我楽多じまん』

 さっそく読んでみると、中野さんって25年も前から骨董市やアンティークショップに顔をだしておられるそうです。もしかしたら、どこかでお会いしているかも知れません。
 “なぜか私はこういう「物」に惹かれるんだなあ。と気づいた瞬間から今度は意識的に集めてみたくなる。偶然を必然にしたくなるのだ”
 という文章は帆船の小皿を前にした一説。私もどうしてかわからないけれど、強く惹かれるモノ、意匠ってあります。中野さんの文章を通して私自身を振り返ってみながら、私がモノ好きということもあるけれど、モノの書籍は楽しいです。器や着物など生活に役立つモノから、役にはたたないけれど、愛しく、惹かれるモノたち。中野さんの好きなモノの世界を垣間見ることができて、嬉しかったのでした。

「はがき函」

「はがき函」

「はがき函」

 さて、今回ご紹介するのは「はがき函(ばこ)」です。ブリキ製で、黒い色に金色でアールヌーヴォー調?のお花が描いてある、女の子らしいデザインの函です。東大赤門前にある本郷美術骨董館にて出会いました。はがき函というと木製のイメージが強かった私は、金属製のはがき函もあるんだと感心し、もともと金属製のモノが好きで集めていることも重なって、喜んでつれて帰りました。
 ちなみにこのはがき函には現在の葉書は入りません。昭和41年までの葉書と現在の葉書では大きさが違うのです。さっそくフタを開けて戦前の絵葉書を入れてみました。当たり前ですが、ぴったりと入りました。深さは1.5センチなので、そんなに沢山の絵葉書は入りません。けれど、ポイントなのは切手を入れる部分が仕切ってあること。それも取り出しやすく見やすいようにと、浅い斜めの段差がつけてあるんです。こういうささやかな工夫というか、アイディアは見ていて嬉しくなります。そして、たまにはステキな葉書を買ってきて、ひさしく逢っていない友人に一筆書きたいなぁと思ったりするのです。けれど、最近はメールですら面倒に思ったりする私です。今私に必要なのは「マメさ」だと、反省している今日この頃なのでした。


2005年2月24日更新
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