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カフェ・クロネコのマッチ

その48
 コルゲンコーワのケロちゃんと
『チェコのマッチラベル』の巻

弓屋かえる堂さえきあすか


 7月末日、南陀楼綾繁(ナンダロウアヤシゲ)さんが主催する、『BOOKMANの会』に参加しました(その36 鹿の角でできた「萬歳」簪の巻 参照)。濱田研吾さんが「コルゲンコーワのカエルについて語る」ということで、ケロちゃんつながりの仲間として田端ヒロアキさんと私も参加したんです。
 『BOOKMANの会』とは、南陀楼さんの友人である古書店の方や編集者、ライターさんなどが集まって定期的に開催されている会で、その中の1人が研究していることを発表するのだとか。私は軽い気持ちで参加してみたものの、どんどん人が集まりだすと緊張してきました。だって、みなさん筆記用具片手に熱心に聞いておられるのですから。
 参加者を少しだけご紹介すると、私にとって意外というか、嬉しかったのは、『その34「蛙のチンドン屋さん」メンコと亀有名画座の巻』でお世話になった掘内恭さんが編集された、『ぶっかけめしの悦楽』(四谷ラウンド発行)の著者、遠藤哲夫さんがおられたこと。かれこれ6年前に掘内さんから遠藤さんのお話をうかがっていた私は、本人を目の当たりにして「この方が‥‥」と懐かしいような不思議な気持ちになりました。ちなみに、『ぶっかけめしの悦楽』は大幅に加筆され、『汁かけめし快食學』(ちくま文庫)として発行されています。
 そして、モクロー通信でおなじみの「セドロー君」が、見るからにセドロー君でビックリ。嬉しくなっちゃいました。「カエル大好き」と手作りのカエルとみせてくださり、可愛らしい絵本をつくっておられる大橋あかねさんや、ミニコミ誌『脇役本』(濱田研吾発行)の中で、濃い対談をしていた藤田さん。『書肆アクセス』の畠中さんに、ひさしぶりにお会いできて、長い間ミニコミ誌を放置していた私は、ふかぶかと頭を下げるばかり‥‥。そのほかにも3人。全員で12人。濃い?メンバーの前でお話するのです。緊張して当然でしょう?

 濱田さんは「コルゲンコーワ・カエルの軌跡」と題して年表を持参。明治27年に綿布問屋「服部兼三郎商店」が創業し、現在の興和新薬(株)の祖となる‥‥にはじまり、昭和33年にカエルのロゴが登場し、佐野寛さんデザインの指人形から、店頭用ディスプレイ人形について。CMに見るケロちゃんやグッズのことを話されたのでした。でも、徳川夢声や役者についての書籍をだしている濱田さんが、真剣にケロちゃんについて語っている姿は、一見ギャップがすごいというか、意外性があるというか、おもしろいなぁと、まわりの人は思っているようでした。ちなみに私は最初は緊張したものの、濱田さんに聞かれたことを、素直に答えればいいだけなので、ケロちゃんのパパとママの指人形、黒、赤、黄の指人形と一緒に、出会い話などアレコレ話したのでありました。

ケロちゃんたち

 会も終わりにさしかかった頃、南陀楼綾繁さんの新刊の話になりました。
チェコのマッチラベル タイトルは「チェコのマッチラベル」(ピエ・ブックス発行 2200円+税)。
 1950〜60年代にかけて発行されたチェコのマッチラベルを紹介した書籍です。日本の昔のガラクタを主に集めている私は、チェコには行ったことがありませんし、いまひとつどんなラベルなのかピンときませんでした。けれど、常々「環境が人をつくり、人がモノをつくる」なんて思っているので、チェコという土地が、どんなラベルを生み出したのか、興味深くページをめくったのです。
 すると、とても明るい絵本のような色使いで、可愛らしいラベルばかりなのです。なんと約800点も紹介してあります。これらのラベルからは、生活習慣や労働者のスローガン、戦車や軍艦、スポーツやお城など、チェコの歴史を垣間見ることができます。また、ところどころに美しいチェコの街並みや、南陀楼さんがはじめて訪れたプラハで、ダンボール箱につめられたマッチラベルコレクションを譲り受けた話にはじまり、歴史、コレクション方法などが紹介されているのでした。

ハガキ

 マッチラベルに興味のある方は、ぜひとも手にとっていただきたいし、絵本作家の方やデザインの参考にもなるかも。私としては日本のマッチラベルの書籍を片手に、チェコのマッチラベルと見比べると、もっともっと楽しくなるのではないかと思います。
 さて、職場でチェコの話をしていたところ、上司が行ったことがあるそうで、写真を見せてくれました。プラハの旧市外や、カレル橋、聖ビート教会など、美しい街並みに感激したとのこと。また、金属産業もたいへん盛んで、ブリキ製の鉄道模型も発売されていると、模型の写真を見せていただきました。マッチに描かれたさまざまな絵のように、色鮮やかな可愛らしい模型だと思ったのでした。

プラハ旧市街
プラハ旧市街

カレル橋
カレル橋

聖ビート教会
聖ビート教会

鉄道模型3点

トンネルと鉄道模型

 では、おしまいにオマケです。
 昭和初期に銀座で栄えた『カフェ・クロネコ』のマッチをご紹介します。ステキなデザインですよね。

カフェ・クロネコのマッチ


2005年9月6日更新
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その47 「旧軽の軽井沢レトロ館にてレースのハンカチを買う」の巻
その46 濱田研吾さんの『脇役本』、大山と富士山型貯金箱の巻
その45 横浜骨董ワールド&清涼飲料水瓶&ターコイズの指輪の巻
その44 『セルロイドハウス横浜館』とセルロイドのカエルの巻
その43 奈良土産は『征露軍凱旋記念』ブリキ皿の巻
その42 ブリキのはがき函と『我楽多じまん』の巻
その41 満州は新京の絵葉書の巻
その40 ムーラン鉛筆棚の巻
その39 「Luncoのオモシロ着物柄」の巻
その38 ペンギンのインキ壷の巻
その37 「更生の友」と「ナオール」こと、60年前の接着剤の巻
その36 鹿の角でできた「萬歳」簪の巻
その35 移動し続けた『骨董ファン』編集部と資生堂の石鹸入れの巻
その34 「蛙のチンドン屋さん」メンコと亀有名画座の巻
その33 ドウブツトナリグミ・マメカミシバヰの巻
その32 ガラスビンと生きる庄司太一さんの巻 後編
その31 ガラスビンと生きる庄司太一さんの巻 前編
その30 『家庭電気読本』と上野文庫のご主人について‥‥の巻
その29 ちんどん屋失敗談とノリタケになぐさめられて‥‥巻
その28 愛国イロハカルタの巻
その27 ちんどん屋さんとペンギン踊りの巻
その26 「ラジオ体操の会・指導者之章」バッチと小野リサさんの巻
その25 針箱の巻
その24 カエルの藁人形と代用品の灰皿の巻
その23 『池袋骨董館』の『ラハリオ』からやってきた招き猫の巻
その22 東郷青児の一輪挿しの巻
その21 西郷隆盛貯金箱の巻
その20 爆弾型鉛筆削の巻
その19 へんてこケロちゃんの巻
その18 転んでもただでは起きない!達磨の巻
その17 ケロちゃんの腹掛けの巻
その16 熊手の熊太郎と国立貯金器の巻
その15 単衣名古屋帯の巻
その14 コマ太郎こと狛犬の香炉の巻
その13 口さけ女の巻
その12 趣味のマーク図案集の巻
その11 麦わらの鍋敷きの巻
その10 お相撲貯金箱の巻
その9 カール点滅器の巻
その8 ピンク色のお面の巻 後編
その7 ピンク色のお面の巻 前編
その6 ベティちゃんの巻
その5 うさぎの筆筒の巻
その4 衛生優美・リリスマスクの巻
その3 自転車の銘板「進出」の巻
その2 忠犬ハチ公クレヨンの巻
その1 野球蚊取線香の巻


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