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「ガラクタ商店街」タイトル

わたしのビンコレクション
その31 ガラスビンと生きる
庄司太一さんの巻 前編
弓屋かえる堂さえきあすか


 秋も深まりつつある10月26日・日曜日は、例によって、ちんどん屋さんのアルバイトでした。
 しかし、この日は仕事のスタートが早いために朝の3時半に起床!「腹が減っては戦はできぬ」体質の私は、目覚し時計の音でガバッと起きると、ごはんを炊き、今が旬の秋刀魚(2匹)を焼いて、たっぷりと大根おろしをかけ、蜆のお味噌汁というシンプルな献立の朝食をとり、駅に向かったのは5時過ぎでした。もちろんあたりは真っ暗です。時折すれ違う新聞配達の人と、道々にたくさんの猫がいて、ゴロンゴロンと転がって楽しそうにしている姿が印象的な、とても静かな朝でした(カラスもまだ鳴いていない)。
 先にも書きましたが、私は携帯ラジオを聞きながら駅までいくのが日課なので、テンションをあげるためにも、この静寂さは打ち消さなければ(?)と、東京FMに合わせたところ、どこかで聞いた声が流れてきたのです。
 
 「えっ? なに? 庄司さん???」
 
『びんだま飛ばそ』 思わず声をあげてしまいました。流れてきたのは、「ビン博士」としてテレビ、雑誌などでも紹介されている、庄司太一さんが作詞・作曲された『ガラスびんのかけらとサラマンドラの竜』だったからです。
 私はなんだか妙におかしくて笑ってしまいました。電波の入りが悪い自宅にいたら聞くことはないわけで、それも早朝の5時過ぎに、たまたまアルバイトに向かう、駅までのわずかな時間に、偶然庄司さんの歌声・朗読を聞いてしまう、この縁っていったいなんなのかしら? っておかしくなったんです。でも、なんだかいい予感がします。今日のアルバイトはきっと上手くいく!(チラシ配りだし)。 そんな気持ちで、庄司さんの朗読の途中心残りではありましたが、地下鉄に乗り込んだのでした。

ライブの案内ハガキ

 今回はガラスビンのコレクターである、庄司太一さんのご紹介をしたいと思います。庄司さんの人生はガラスビンとともにあります。なんと驚くことなかれ! ご自宅には10万本以上の明治時代から昭和20年代までにつくられたガラスビンがあるのです。なんで昭和20年代までかって? それ以降になるとビンは大量生産され、個性がなくなるというか、コレクションとしても面白みにかけるからです(‥‥と私は理解している)。
 そして、それらのガラスビンのために『ボトルシアター』というビンのお城、個人博物館までつくってしまい、古いビンの素晴らしさを人々に伝えているのです(入場料300円。要予約)。その上、ビンに捧げる書籍を2冊も発行しておられ、今度はついにビンに捧げるCDまで発売されるかも知れないのです。今回「駅前ガラクタ商店街」で庄司さんについて書きたいというお話をした時にも、
 「私はビンで総合的な表現をしたいんです」
 って熱く語ってくださいましたが、もう十分にやっておられると私は思います。けれど、ご本人としては、まだまだ納得のいかないご様子。次から次へとビンを通しての言葉が生まれてくる姿には、ただただ感心するばかり。

ビンコレクターの庄司太一さん

 庄司さんのビンへの熱い思いは、時々ライブで表現されることがあります。そういえばカメラをはじめ古いモノのコレクションで有名な、アルフィーの坂崎さんも共演したことがありました。そんな摩訶不思議なボトルライブが、9月末に練馬区のライブハウスで催されました。
 「誰も来ないかも知れない。赤字覚悟だ! イエ〜イ」
 なんて、少々不安気におどけていた庄司さん。私もおよばずながらお役にたちたいと、現地に向かったのでありました。
 しかし、遅れて会場にたどり着いた私が見たのは、入り口までギッシリとつまった人・人・人でした。受け付けの女性に、
 「まだ入れるんでしょうか?」
 と恐る恐る尋ねると、
 「奥までいけばなんとか入れるでしょう」
 とのこと。変なところで気の弱い私は、「こんなに人が来ているなら、私はいいかなぁ」なんて、ちょっぴり弱気になったのですが、ここまできて帰るのもなぁと気持ちを切り替え、「入ってみせます」と、薄暗い店内に足を踏み入れたのでした。
 後編につづく。

ボトルシアター

 ビンコレクターである庄司太一さんの世界に興味がある方、ボトルシアターやライブに行ってみたい方は、http://www.sayanet.com/~bottle/ まで。ちなみに骨董屋さんという一面もお持ちで、毎月第一曜日に東京・中野区で開催される、新井薬師アンティーク・フェアにも出店しておられます。

わたしのビンコレクション

 私のガラスビンコレクション
 小振りのガラスケースに、不細工なんだけど可愛らしい小ビンたちを、たくさん並べて飾っています。そこだけジッと見つめていると、ビンのキラキラした色合いと、たくさんの気泡が、水の中を連想させてくれて、静かでのんびりした気持ちになるから不思議です。

わたしと全乳


2003年12月12日更新
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その30 『家庭電気読本』と上野文庫のご主人について‥‥の巻
その29 ちんどん屋失敗談とノリタケになぐさめられて‥‥巻
その28 愛国イロハカルタの巻
その27 ちんどん屋さんとペンギン踊りの巻
その26 「ラジオ体操の会・指導者之章」バッチと小野リサさんの巻
その25 針箱の巻
その24 カエルの藁人形と代用品の灰皿の巻
その23 『池袋骨董館』の『ラハリオ』からやってきた招き猫の巻
その22 東郷青児の一輪挿しの巻
その21 西郷隆盛貯金箱の巻
その20 爆弾型鉛筆削の巻
その19 へんてこケロちゃんの巻
その18 転んでもただでは起きない!達磨の巻
その17 ケロちゃんの腹掛けの巻
その16 熊手の熊太郎と国立貯金器の巻
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その11 麦わらの鍋敷きの巻
その10 お相撲貯金箱の巻
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その7 ピンク色のお面の巻 前編
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