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その41 満州は新京の絵葉書の巻

弓屋かえる堂さえきあすか



 実家に帰ってきました。約1年ぶりです。
 東京から約1千キロ離れた私の家は、戦後台湾から引き上げてきた祖父と祖母が建てた家で、戦前のガラクタを主に集めている私からすると、戦前のモノがあまり存在しない実家にたいして、ちょっぴり残念に思ったこともありました。‥‥といっても子供時分には、家で使われていた明治印判の小皿や五右衛門風呂、蚊帳などの存在に、
 「なんでうちは、古くさいモノばかりなんだ!」
 って不満に思っていたのですから、我ながらゲンキンなものだと、あきれたりもします。
 
 それが2年前のこと。80歳を超えた親戚のおばさんに、おばさんが長年持ち続けてきた、おばさんのおじいさん、つまり祖母のお父さんであり、私のひいおじいさんの持ち物だったという、毛布をいただくことになったんです。その時、私は思いもかけないおばさんの言葉に耳を疑いました。
 「おばあちゃんのおじいちゃんが、目が青かったって知っている?」
 「えっ? 日本人じゃないんですか?」
 「そう。ロシアのほうの人だって聞いているけどね。満州と貿易をしていたらしいよ」
 と、ウソかまことか、そんな話を聞いた後、私の家には約100年前の?ずっしりと重たい毛布が届いたのでした。
後日、私は真実を知りたいと思い、もう1人の親戚のおじさんに聞いたのですが、
 「そんな話もあったけど本当かなぁ。確かに日本人離れした顔だったけどねぇ。昔の話だからなぁ。わしは全然興味なかったからなぁ」
 と笑いながらいわれたので、このことは話半分として心の片隅にしまうことにしました。

 それが先日実家に帰った時に、たまたま開けた戸棚の奥から、戦前の絵葉書が130枚ほどでてきたのです。それも大半が未使用で、多少埃をかぶっていましたが状態はよく、骨董市や古書店などで見かける絵葉書が、まさか実家からでてくるなんて、夢にも思っていなかったので、私は座りこんで見入ってしまいました。
 それらは、ほとんどが観光地のモノで、京都や山陰、大分などの風景です。そして、その中にまとまってあったんです。満州のハガキが! 思わず、2年前のおばさんとの会話が思い出されました。

絵葉書

 絵葉書は満州の首都である新京の風景ばかりでした。駅をはじめ、日本橋通りや中央通り。鈴蘭燈が街の華やかさを演出しているダイヤ街。そして大同大街。電線は電柱を使わずに、地中に引かれているため、街並みがすっきりしているのが印象的です。そして順天公園、大同広場、大同公園、新京神社などなど。公園が多いなぁと思ったら、新京は街の四分の一が道路と公園なんだとか。広々とした美しい街・新京に、ますます夢が広がります。
けれど、葉書や毛布を見るたびに、どうして祖母が元気なうちに、昔の話をきちんと聞いておかなかったのか、後悔の気持ちでいっぱいになります。ただ、不幸中の幸いなのは、これらの葉書が手元にやってきたこと。大切にしなければと思ったのでした。

絵葉書

絵葉書

絵葉書

絵葉書

絵葉書

絵葉書

ちょっと気になった「即席しるこ」をご紹介!

復刻「日本海」

復刻「日本海」日露戦争百周年記念
日本とロシアの平和を願って復刻された「日本海」。島根県松江市にある風流堂さんが発売しておられます。詳しくは由来を読んでいただくとして、食べ方は「上」印をそのまま上に向けてお椀に入れ、熱湯を注ぐと両国の国旗が浮き上がるという「即席しるこ」なのでした。甘すぎず、あっさりとした上品な味で、美味しく、楽しくいただきました。興味のある方は、風流堂さんまで。http://www.furyudo.jp/

即席しるこ

即席しるこ

復刻「日本海」


2005年2月3日更新
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