「まぼろしチャンネル」の扉へ
「番組表」へ 「復刻ch」へ 「教育的ch」へ 「東京カリスマch」へ 「日曜研究家ch」へ 「あった、あったch」へ 「再放送」へ 「ネット局」へ
ら〜めん路漫避行
まぼろし書店・神保町店
少女漫画 ふろくの花園
帝都逍遙蕩尽日録
定食ニッポン
駅前ガラクタ商店街
日本絶滅紀行
怪獣千一夜
秘宝館
掲示板
マガジン登録
メール
まぼろし商店街
まぼろし洋品店

「ガラクタ商店街」タイトル

その33 ドウブツトナリグミ・マメカミシバヰの巻

ドウブツトナリグミ紙芝居の中

弓屋かえる堂さえきあすか


じゃマ〜ル1996年9月26日号 お部屋の掃除をしていた時のことです。1996年にリクルートから発売された『じゃマール』という雑誌が出てきました。懐かしいというには、まだちょっと早いけれど、ひさしぶりに見る雑誌に、なんだか新鮮な気持ちになったりして。
  なぜって?
 だってこの雑誌は“お友達募集”とか“不要品売買”などの“売る、買う、出会う”を1冊にした個人情報マガジンなんです。オークションや出会い系のサイトなど、最近はパソコンで簡単にできることが、当たり前ですけど8年前には雑誌でやっていたんですね。
 どうしていまだに『じゃマール』を持っているかというと、1996年9月26日に発売した13号には個人的に思い入れがあるからです。この号がでた時に、
 「さえきさん、お友達が欲しいの?」
 って串間努さんから電話があったんです。突然の質問に、
 「とっ、友達ですか? そりゃぁ、いないよりはいたほうがいいとは思いますが、なんででしょう?」
 と恐る恐る答える私。なんだか串間さんも話しづらい様子で、
中身はこんな風 「『じゃマール』見たよ。“お友達募集”って、さえきさんでしょ?」
 って一言。
 「はっ? なんですか、それは?」
 なにがなんだかわかりません。びっくりした私は慌てて『じゃマール』を購入したのでした。そこには
 “お友ダチ大募集。年の差15コ以上の年上の彼がいる女のコ、年下の彼女のいる男の人!(結婚している人たちも)いっぱいいろんな話したいナ。台東区。学生。さえきあすか”
 って載っていました。もちろん私ではありません。でも、こんな小さな募集記事にも気がつくなんて、串間さんはスゴイなぁと驚き、感心したものです。

これがその募集記事

 友達といえば‥‥。
 最近不思議な人間関係ができているんです。昨年10月のこと。スーパーで一緒にアルバイトをしている17歳の女の子Mちゃんの文化祭に、16歳のN君の自転車で一緒に行ってきました。Mちゃんのクラスは映画をつくって文化祭で上映するのです。なんでも彼女は良心的な先生役だそうで、仕事中に何度もセリフの練習をしている姿を見て、おもしろそうだと思い、N君を誘って朝から一緒に出かけました。当日現れたN君は冬服に変わったばかりの学生服姿。ものすごく懐かしい気持ちになったのはいうまでもありません。
 季節は秋。荒川を自転車で越える時に見た大量のススキは、白く輝いてとてもきれいで、彼がコンビニで買った朝食代わりの細長いパンを、ポイと半分を差し出してくれた姿には、高校時代を思い出して、ちょっぴりせつなくなりました。いつまでも若いつもりでいましたが、確実にトシはとるもんです。
 肝心なMちゃんはというと、しっかりと先生役を演じ、ちょっと照れくさそうにしていましたが、アルバイトでは見せない姿が、おかしくて仕方がありません。そういえば当時は高校生の女の子が赤坂のマンションの一室に監禁されたとか、高校生のプチ家出や乱暴さなどがテレビで毎日報道されていたので、「近頃の高校生は怖いらしい」なんて、ちょっと身構えていたのですが、文化祭で見た彼らは挨拶もしっかりするし、元気があって可愛いし、「全然大丈夫じゃないの!」って思いました。

みんななかよし

 それにしてもアルバイト先の若い子たちは、ゲームや携帯電話も慣れ親しんでいますが、年に2回東京ビックサイトで開催されるコミックマーケットにいっていたり、和太鼓が趣味だとか、小説家になりたくて毎日なにかしら書いているとか、好きなことがはっきりしているのです。そんな彼らの日常の話を聞くたびに、私は恵まれた環境でアルバイトができてよかったなぁと思います。

「ドウブツトナリグミ・マメカミシバヰ」

  今回ご紹介するのは“たん、せき、ぜんそくに龍角散”と裏表紙に書かれた、薬局のノベルティ「ドウブツトナリグミ・マメカミシバヰ」です。手のひらにのる小さな紙芝居ですが、動物のイラストが可愛らしい上に、印刷も色鮮やかで美しく、デッドストックだったため状態もすこぶるヨイ。私は骨董市で出会った瞬間、喜んで手にとっていました。

紙芝居
紙芝居
紙芝居
紙芝居
紙芝居
紙芝居

紙芝居 「トントン トンカラリント トナリグミ」ではじまるこの紙芝居は、ブタのトンキチが回覧板を回して、その夜の集会にたくさんの動物を集めます。そしてみんなで戦争中何かお国のためになることをしようと意気投合し、まずは健康第一とラジオ体操をしたり、防火用水の水を溜めたり、空き地を耕して大根の種まきをしたり、兵隊さんに慰問袋を送ろうと一生懸命つくるのです。なんだか可愛いらしい絵とはほど遠い内容だと思われるかも知れませんが、約60年前の教育や生活を垣間見ることができる貴重な資料です。

紙芝居
紙芝居
紙芝居
紙芝居
紙芝居
紙芝居

 思えば、昔は近所のおつきあいって重要でした。でも、最近は希薄ですよね。特に田舎から東京へでてきたりすると、近所づきあいって皆無に等しい。けれど、この土地にやってきてからは、私なりの近所づきあいができている気がします(スーパーがらみだけど)。町内で会っても挨拶してくれるし、近々N君やほかの若者たちとカラオケにも行く予定です(私にとっては町内会のカラオケ大会という感じ)。年齢差のある不思議なおつきあいですが、成長していく過程の多感な彼らを見ていると、生意気にも親のほうに近い感情が芽生えてきて、微笑ましいような愛しい気持ちになります。さて、若者に混じってひと昔前の歌を歌ってきます。念のためにいっておくと、私から無理やり誘っているわけではありませんからね。

弓屋かえる堂


2004年2月25日更新
ご意見・ご感想は webmaster@maboroshi-ch.com まで


その32 ガラスビンと生きる庄司太一さんの巻 後編
その31 ガラスビンと生きる庄司太一さんの巻 前編
その30 『家庭電気読本』と上野文庫のご主人について‥‥の巻
その29 ちんどん屋失敗談とノリタケになぐさめられて‥‥巻
その28 愛国イロハカルタの巻
その27 ちんどん屋さんとペンギン踊りの巻
その26 「ラジオ体操の会・指導者之章」バッチと小野リサさんの巻
その25 針箱の巻
その24 カエルの藁人形と代用品の灰皿の巻
その23 『池袋骨董館』の『ラハリオ』からやってきた招き猫の巻
その22 東郷青児の一輪挿しの巻
その21 西郷隆盛貯金箱の巻
その20 爆弾型鉛筆削の巻
その19 へんてこケロちゃんの巻
その18 転んでもただでは起きない!達磨の巻
その17 ケロちゃんの腹掛けの巻
その16 熊手の熊太郎と国立貯金器の巻
その15 単衣名古屋帯の巻
その14 コマ太郎こと狛犬の香炉の巻
その13 口さけ女の巻
その12 趣味のマーク図案集の巻
その11 麦わらの鍋敷きの巻
その10 お相撲貯金箱の巻
その9 カール点滅器の巻
その8 ピンク色のお面の巻 後編
その7 ピンク色のお面の巻 前編
その6 ベティちゃんの巻
その5 うさぎの筆筒の巻
その4 衛生優美・リリスマスクの巻
その3 自転車の銘板「進出」の巻
その2 忠犬ハチ公クレヨンの巻
その1 野球蚊取線香の巻


「カリスマチャンネル」の扉へ