「まぼろしチャンネル」の扉へ
「番組表」へ 「復刻ch」へ 「教育的ch」へ 「東京カリスマch」へ 「日曜研究家ch」へ 「あった、あったch」へ 「再放送」へ 「ネット局」へ
懐かし雑貨店「アナクロ」
ノスタルジー商店「まぼろし食料品店」
思い出玩具店「昭和ニコニコ堂」
チビッコ三面記事
「秘密基地」の時代
まぼろし第二小学校
珍商売あれやこれや
秘宝館

「食料品店」タイトル

日曜研究家串間努 第30回
「戦国模様のファーストフードのメニュー」


  マクドナルドは半額バーガーセールをやったり80円バーガーや100円マックを行ったりと、販売イベントが忙しい。こちらも「アレ? 今、ハンバーガーっていくらだっけ?」と訳がわからない。

「お得なセットが目白押しなのだ」

「お得なセットが目白押しなのだ」

  マックが日本に初上陸したとき(マクドナルドの日本第1号店は昭和46年7月20日、銀座・三越の1階でオープン)、私は小学生。ハンバーガーは「たまに食べられるごちそう」だったから、いま、セールによってアンパンより安い価格になるのは嬉しい反面、ブランド性が崩された気もして哀しい。

  ファーストフードの世界ではメニューの移り代わりが激しい。
  ロッテリアのイタリアンホットは昭和47年の発売以来親しまれてきたが、中止と再発売を繰り返し、平成8年以降は発売されていない。マックが昭和53年に発売した「クォーターパウンダー」は、4分の1ポンドの大きな肉が1枚挟まれていた。

「両隣も飲食店で、競争が激しいのだ」

「両隣も飲食店で、競争が激しいのだ」

  そういえば、マクドナルドがごはんものを出したことがあった。「マックチャオ」という卵チャーハンと、シューマイ、焼き豚の中華セットだ。「平成3年のマックチャオは夕方5時からの時間限定で夕食ニーズを狙ったものです。行列ができるほど売れました」(日本マクドナルド社)。
  ではなぜ今、売らないのかというと、調理上、鉄板がかち合ったり、厨房内での動きが増えて、運営上でロスが多いからだという。
  なかなか道は遠いが、期間限定メニューからレギュラー化したものも生まれた。「チキンタッタ」と「てりやきマックバーガー」である。とくにてりやきマックバーガーは、日本が開発した商品としては初めて、海外のマックのメニューに加えられたのが特徴だ。タイでは「サムライバーガー」、香港では「将軍バーガー」と称しているという。

「24時間オープンってのもありがたい」

「24時間オープンってのもありがたい」

  メニューの生存競争が、名門野球部並みに激しいのがファーストキッチン。毎月新しいバーガー類が生まれては消えている。「POSデータで下位のものと入れ替えます」とのこと。地鶏を使った「伊達鳥のバジルサンド」が大ヒットしたこともあった。
  毎月出していれば失敗作もある。「『フォカッチアタコトマト』という、ブツ切りタコを揚げたものをイタリア風に調理したものはウケませんでした」という。レギュラー化するためには、価格と素材感のバランス、オリジナリティが大切だ。同社は脱ハンバーガー化もしてピザやパスタも扱った。

「シンプルな店構えが好感持てるなぁ」

「シンプルな店構えが好感持てるなぁ」

  平成10年に『カニあんかけ包(パオ)』を発売したこともあった。春雨を衣にしたカニのフライと千切りキャベツを中華パンに包みこんだものだ。「これは売れます!」と自信満々だったが翌年にはレギュラーの座から滑り落ちていた。
  やはり何が売れるかは発売してみないとわからない。開発メーカーと消費者の間では温度差が生じてしまうようだ。


2009年10月27日更新


[ノスタルジー商店「まぼろし食料品店」]
第29回「永谷園のお茶づけのりカード」の巻
第28回「アトムシールの誕生の謎を探る」の巻
第27回「お茶を商品化した日本文化」の巻
第26回駄菓子屋のあてクジ「コリスガム」の巻
第25回思わず口から出した「ホールズ」の巻
第24回「ヱビスビールはパンの味がしないかい?」の巻
第23回「アイスコーヒーって誰が発明したの?」の巻
第22回「氷イチゴの沿革」の巻
第21回「洋酒のポケット瓶を集めた中学生時代」の巻
第20回ギンビス「アスパラガス」は野菜がモデル?の巻
第19回「食堂で飲んだ記憶の『バヤリースオレンジ』」の巻
第18回子どもには辛かった「ロッテクールミントガム」の巻
第17回「ミスタードーナツの注文は視力検査か」の巻
第16回「マルシンハンバーグはなぜ焼けるのか」の巻
第15回「マボロシのお菓子(2)」の巻
第14回「マボロシのお菓子(1)」の巻
第13回「日本のお菓子に描かれたる外国の子どもたち」の巻
第12回マクドナルドが「ジャンクフード」になるなんての巻
第11回「カタイソフトとヤワラカイソフトとは?」の巻
第10回「桃屋」の巻
第9回「SBカレー」の巻
第8回「クリープ」の巻
第7回「中華まんじゅう」の巻
第6回「回転焼と大判焼と今川焼の間には」の巻
第5回「キャラメルのクーポン」の巻
第4回「チクロは旨かった」の巻
第3回「食品の包装資材の変化から見る食料品店」の巻
第2回「名糖ホームランバー」の巻
第1回「グリーンティ」の巻
[ノスタルジー薬局「元気ハツラツ本舗」
第8回「参天製薬」の巻
第7回「グロンサン」の巻
第6回「レモン仁丹」というものがあったの巻
第5回「かぜ薬」の巻
第4回「メンソレータム」の巻
第3回「マキロン30周年」の巻
第2回「虫下しチョコレート」の巻
第1回「エビオスをポリポリと生食いしたことがありますか」の巻


「日曜研究家チャンネル」の扉へ