「まぼろしチャンネル」の扉へ
「番組表」へ 「復刻ch」へ 「教育的ch」へ 「東京カリスマch」へ 「日曜研究家ch」へ 「あった、あったch」へ 「再放送」へ 「ネット局」へ
「課外授業」
「国語」
「算数」
「理科」
「社会」
「情操教育」
秘宝館
掲示板
マガジン登録
メール
まぼろし商店街
まぼろし洋品店

「ぶらり歌碑巡り」タイトル

アカデミア青木

http://www.maboroshi-ch.com/hoso/item-43.html
ラジオ版・ああ我が心の童謡〜唱歌編
http://www.maboroshi-ch.com/hoso/item-50.html
ラジオ版・ああ我が心の童謡〜童謡編
まぼろし放送にてアカデミア青木氏を迎えて放送中!

碑

第44回 『雀の学校』

 日溜まりの公園で、暮れなずむ街角で、夜のしじまの中で、ひとり「童謡」を口ずさむ時、幼き日々が鮮やかによみがえる…。この番組では、皆様にとって懐かしい童謡の歌碑を巡ってまいります。今回は、『雀の学校』です。
 4月になってピカピカのランドセルを背負った小学1年生達。友達とはしゃぎながら登校する姿を眺めていると、ふと『雀の学校』の歌が思い出されます。「ちいちいぱっぱ、ちいぱっぱ…」子供達のおしゃべり声は、確かに雀達が鳴き交わす声に似ています。この歌を作詞したのは清水かつら、作曲したのは弘田龍太郎。『靴が鳴る』、『叱られて』と同じコンビです。



『雀の学校』(『少女号』大正10年12月号 に発表)
 作詞 清水かつら(しみずかつら、1898−1951)
 作曲 弘田龍太郎(ひろたりゅうたろう、1892−1952)

 

碑

 

 ちいちいぱっぱ ちいぱっぱ
 雀の学校の 先生は
 むちを振り振り ちいぱっぱ

 生徒の雀は 輪になって
 お口をそろえて ちいぱっぱ
 まだまだいけない ちいぱっぱ
 も一度一緒に ちいぱっぱ
 ちいちいぱっぱ ちいぱっぱ

 

 「ちいちいぱっぱ」と鳴き交わす雀の群を眺めて、学校の授業風景を想起した清水かつら。『靴が鳴る』や『叱られて』、『みどりのそよ風』とは違った、コミカルな歌です。大正10年は”童謡の当たり年”ともいえる年で、浅原鏡村の『てるてる坊主』、三木露風の『赤とんぼ』、北原白秋の『揺りかごのうた』、青木存義の『どんぐりころころ』、野口雨情の『七つの子』、『赤い靴』、『青い眼の人形』などが、この年に発表されました。ところが、この歌が醸し出す雰囲気はそれらとは異なり、現代的な感じさえします。当時の童謡の主流は、雑誌『赤い鳥』に見られるように、芸術性に重きが置かれ、コミカルな作品に対しては「低俗な歌」というレッテルが貼られました。『雀の学校』も例外ではありませんでした。しかし、『雀の学校』は子供達の受けが良く、今日に至るまで歌い継がれた結果、歌碑が建つまでになりました。「歌は世につれ…」といいますが、この歌に眉をひそめる人もいつの間にかいなくなってしまいました。
 この歌の歌碑は、安芸市の「江の川」に掛かる土居橋のたもとにあります。橋の北詰には『雀の学校』の歌碑が、南詰には西条八十作詞の『三日月』の歌碑がそれぞれ建てられ、欄干には雀を描いた色とりどりのレリーフがはめ込まれています。安芸市役所から徒歩5分も掛かりませんので、市役所を訪れる際には足を伸ばしてご覧になるといいでしょう。

土居橋

土居橋


[参考文献

与田準一編『日本童謡集』岩波文庫 平成元年(36刷)]

場所:高知県安芸市土居橋
交通:土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線安芸駅より徒歩9分


2006年5月17日更新
ご意見・ご感想は webmaster@maboroshi-ch.com まで


[ああ我が心の童謡〜ぶらり歌碑巡り]
第43回 『お山のお猿』
第42回 『俵はごろごろ』
第41回 『兎のダンス』
第40回 『青い眼の人形』
第39回 『シヤボン玉』
第38回 『雨降りお月さん』
第37回 『かごめかごめ』
第36回 『蜀黍畑』
第35回 『あの町この町』
第34回 『黄金虫』
第33回 『四丁目の犬』
第32回 『七つの子』
第31回 『背くらべ』
第30回 『浜千鳥』
第29回 『通りゃんせ』
第28回 『宵待草』
第27回 『案山子』
第26回 『仲よし小道』
第25回 『七里ヶ浜の哀歌』
第24回 『城ヶ島の雨』
第23回 『どんぐりころころ』
第22回 『十五夜お月さん』
第21回 『浜辺の歌』
第20回 『叱られて』
第19回 『故郷』
第18回 『砂山』
第17回 『兎と亀』
第16回 『みどりのそよ風』
第15回 『朧月夜』
第14回 『早春賦』
第13回 『春よ来い』
第12回 『鉄道唱歌』(東海道編)
第11回 『赤い靴』
第10回 『靴が鳴る』
第9回 『紅葉』
第8回 『證城寺の狸囃子』
第7回 『かもめの水兵さん』
第6回 『箱根八里』
第5回 『赤い鳥小鳥』
第4回 『金太郎』
第3回 『荒城の月』
第2回 『春の小川』
第1回 童謡が消えていく
[ああわが心の東京修学旅行]
最終回 霞が関から新宿駅まで 〜霞が関から山の手をめぐって〜
第8回 大手町から桜田門まで 〜都心地域と首都東京〜
第7回 羽田から芝公園まで 〜城南工業地域と武蔵野台地を訪ねて〜
第6回 銀座から品川まで 〜都心地域と都市交通を訪ねて〜
第5回 日本橋から築地まで 〜下町商業地域並びに臨海地域を訪ねて〜
第4回 上野駅から両国橋まで 〜下町商業地域を訪ねて〜
第3回 神保町から上野公園まで 〜文教地域を訪ねて〜
第2回 新宿駅から九段まで 〜山手の住宅地域と商業地域を訪ねて〜
第1回 データで見る昭和35年


「教育的チャンネル」の扉へ