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「脇役列伝」タイトル

ヒーロー研究家立石一夫

”パーっといきましょう”三木のり平


 この人の思い出は二つある。何れも子供時代ではあるのだが。当時は映画全盛時代であった。銭湯の壁にも、町のあちこちにも上映中のポスターがやたらと貼ってあったものだ。
 女におんぶされている情ないヤクザ者の映画ポスターが目に飛び込んで来た日のことを良く覚えている。「灰神楽の三太郎シリーズ」の第三作か四作だろう。女は中田康子で、ヤクザ者はのり平であった。これは浪曲でも人気があり、相良太郎の声が実に良かった。
 そしてもう一つは誰でも知っている、桃屋のCMである。アニメになったのり平が、鞍馬天狗や、丹下左膳に扮している。個人的には国定忠治が赤城山で見得を切るシーンが一番好きだった。「江戸むらさき」はあっという間に、茶の間の人気商品になる。桃屋の社長はのり平の墓に足を向けてはいないだろう。

 必ず書かなきゃいけないのは、森繁主演の「社長シリーズ」である。あんなにトボけた営業課長は前代未聞である。私も会社で”営業課長”の肩書を印刷した名刺をもらっているが、彼ほどのインパクトは勿論ない。
 宴会になるとやけに張り切るのがのり平の見せ場だ。これを見るだけで映画館に足を運んだ人が多数いたらしい。個人的にお奨めは「続・社長洋行記」(63年)である。♪わたしゃ十六香港娘と歌って踊ってサービスしていた。途中で雲行きが怪しくなる。暗転、彼だけが香港出張に行けなくなる。あんなにハシャいでいたのがウソのように大人しくなっちまった。
 私が思うにこの人ほど喜怒哀楽を上手に表現する役者はいないかも知れない。しかも大仰でなくやってのけるところに三木のり平の役者としての凄みがある。
 喜劇役者としてだけではなく、彼のシリアスな演技が光ったのが勝新の「座頭市」であった。海辺の苫屋で座頭市とボソボソ会話するオヤジの役もなかなかのものであった。
 晩年は、舞台の演出家としても活躍。彼のコミカルさが後輩の俳優にも受け継がれて行くサマは嬉しく思ってもいた。
 邦画があんなにも輝いていた時代。東宝映画に”社長”そして”駅前”のシリーズがあった。その一翼を担ったのが、三木のり平という素晴らしい俳優である。


喜劇俳優
(生) T13.4.11
(没) H11.1.25
<出身> 愛知県名古屋市
東京都出身、日大卒業後、三木鶏平グループに加わり、ラジオ、舞台に出演。54年、森繁久彌らと虻蜂座を結成し、舞台で活躍。映画は、50年に初出演以後、喜劇を中心に出演。「社長」「駅前」シリーズで人気を得る。


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2006年5月8日更新
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