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「ら〜めん路漫避行」タイトル

第18回 平和島ランプはヒゲジロウのサイン〜Enjoy!天狗湯
刈部山本

拙著ミニコミ誌新刊『首都高B食バトル』の委託先への納品が大体済んだということで(詳細は文末まで)、前回第17回に続いて、東京モノレールを一駅だけ乗って、大井競馬場前駅の次、流通センターで下車。今回も本誌未掲載ネタを含んでお送りしまっせ〜

※今回から地図を別ウインドで掲載することにしました。
 見比べながら読んでみてください。

駅を降りると目の前に変則的な巨大な陸橋が現れる。

都大橋見上げ

地図上では高平橋と記されているが仲之島橋というバス停があり、西端の橋側面には都大橋の文字が。これだけではなんのこっちゃわからないが、菱形というか、上空から見るとY型のジャンクションを2つ、鏡に映したように対称にくっついたような形になっている。

平和島ランプMAP

環七が1号羽田線(正確には1号と併走する海岸通りで首都高には直接接続していない)を十字にクロスして跨いでいる大きな橋を中心に、双方行き来できるような小さな橋が密集している。

入り組み

殆どY型ばかりの首都高JCTなので、一般道ながらクローバー型JCTを紹介したかったのだ。しかも北西側だけループがないという四つ葉が三つ葉になってしまっているという不完全クローバー型で、ここだけロータリー型のような形状をしている。

北東側

その上に歩道橋を設け自転車や歩行者の行き来を可能にしているのだが、東側の南北の縦断だけ環七の坂下の台地を掘ったトンネルとなっている。

トンネル

これが薄暗くて案の定ホームレスが住み着きペットボトルのゴミやらエロ本やらがあちこちに散乱している。このトンネル北端に環七上に出る階段があり、上るとビュンビュン往来する車の渦中にひょっこり顔を出す。

トンネル内

階段

環七上

ここからどこへいけるわけでもないのでドライバーからすれば完全に不審者だが、上に上がるかはともかく、トンネル付近はクローバーのループの真下を通るので、プレートガーターの構造や補強のケーブルなんかがよく見れる。京急平和島駅からも近いので手軽なJCT鑑賞スポットではないだろうか。

Pガーター

このまま環七を西へと歩を進める。平和島公園や平和の森公園の緑を眼下に見下ろしながら、長く緩やかな傾斜を下る。丁度都大橋を降りきった辺りになると、倉庫へ出入するトラックの運転手向けだろう、ロードサイドに派手めの看板を掲げたラーメン屋が目立ってくる。その中に、派手さは控えめながら異様に目を引く漢字一文字が。その名も…
髭外観

ラーメン 髭
11:30〜14:30/17:00〜22:00
土日祝通し 売切次第終了
定休;火曜
大田区大森本町2-28-5
公式サイトあり
※時間等変更の場合があります

ここのラーメンのボリュームとインパクトが店名のインパクトを更に強くしている。と、過去に触れたかもしれないが、慶応大学の門前に今も営業を続ける生ける伝説と化したラーメン二郎について説明しなければなるまい。
ラーメンというよりも二郎という料理であると言わしむる程、クセのある豚骨醤油スープに通常の3人前はあろうゴワゴワの極太麺が押し込められ、その上にチョモランマ状態の野菜が堆く積まれる。今では弟子の店が多く見受けられ、孫弟子、果てはインスパイア系と呼ばれる、明らかに二郎に触発されたラーメンを提供する店舗も増え、味噌・豚骨・塩などと並んだ一ジャンルとして定着しつつある。ここ髭はそのインスパイア系に属する。
店内は横に長いカウンターのみで背面の壁との隙間がなく、場所によっては後ろを通れない程。やはり二郎系は狭く、男臭い店が似合う。
さて、自分の分がドカン!とやってきた。

ラーメン

小という一番小さなサイズでもあまりの量の多さから残す客が多いので、量を少なめに設定するインスパイア店も多い中、ここは正々堂々、気合の入った盛りを提供してくれる。丼スリキリでスープがこぼれ気味、モヤシが丼の外に垂れ下がったそのビジュアルに心が折れ、胃が収縮してしまいそうになる。
ここのスープはかなりさっぱりとしていて飲み易いのだが、麺はかなり捻りの効いたゴワゴワと粉の風味豊かなもの。チャーシューとは形容しがたく“豚”と呼ばれる煮豚はなかなか大きめで柔らかく煮込まれている。
真夏に食したので苦戦したが、二郎としてはやや多い方といった量だろうか。なんとか完食してここならではの麺を堪能できた。

満腹のまま足取り重く環七を更に西へ向かう。すると第一京浜との立体交差となり、高架下に京急平和島駅がある。人と自転車で賑わう駅は京急沿線らしい庶民的な空気が漂い、周辺には昭和の香りを残す商店街が息づいている。

平和島駅

そんな中、駅前で見かけた理髪店は歳月を重ねたモルタル色合いが絶妙ながら現役バリバリで営業していた。窓枠の水色がなんとも眩しい。

理髪店

理髪店

このまま電車で帰ってもいいが、このお腹を落ち着かせたい。大田区といえば言わずと知れた銭湯温泉天国。この界隈にも・・・環七から路地に入ると急に道幅が狭くなったあたりで銭湯が出現。
天狗湯看板

天狗湯
14:30〜24:00
定休;木曜
大田区大森西2-15-3
泉質:メタけい酸 重炭素そうだ
※時間等変更の場合があります

天狗湯外観

外観は真新しい印象を受けるが内実はかなり年季はいってそう。ロビーを通って脱衣場に入ると、ペンキで塗られているが、かつての宮造りを髣髴とさせ、ちょっとディープな印象を受ける。
湯船はL時状に水風呂・温泉浴槽・大浴槽(ジェットやデンキ風呂)と銭湯としてもかなり大きい。温泉は殆ど無色透明。やや塩素臭がするくらいで全くクセがない。しかも天敵の、熱め。暫く入っていたが堪らず出てしまった。試しに隣の大浴槽に入るとこっちの方がぬるい。個人的には温泉の方を温めが希望なのだがぁ〜
脱衣場に掲示されていたが、水風呂は加熱してないようだ。源泉に近いと思いよくみてみると、透明ながら若干エメラルドグリーンのような色がついている。なんかしらの影響で脱色しているのか知らないが、こういう温泉は都内では始めて出会う。
温泉的にどうかとかそういうことより、地元の憩いの場としてきちんと機能しているのに好感が持てた。そういう銭湯として楽しみ、よく見りゃ温泉だった!というサプライズとして捉えれば、もう十分満足でしょ。



刈部山本

刈部山本(かりべ・やまもと)とは・・・
ラーメンなどのB級グルメを主食とし赤線跡・軍事遺跡・レトロ建築等を巡る路地裏徘徊人。
東京の下町、谷根千の路地裏に潜む古本喫茶を自営。レトロ少女マンガ・サブカル・町歩き等の古本・ミニコミが揃う空間で最高品質の珈琲と自家製ケーキを持て成す。
ふるほん結構人ミルクホールHP http://kekkojin.heya.jp/




2008年 10月 1日更新
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